埼玉県秩父地方は、秩父山地の山々や渓谷に恵まれ、紅葉の見所がたくさんあります。10月中頃になると奥秩父の山々から色づきが始まり、11月下旬にかけて紅葉を楽しむことができます。
三峯神社・中津峡(中津川渓谷)・長瀞渓谷・秩父ミューズパーク(イチョウ並木)など、秩父の紅葉スポット・見頃時期をご紹介します。
黄色く色づいたイチョウ並木
秩父ミューズパークは、秩父市の中心市街地から荒川を渡った西側にある公園です。秩父市と小鹿野町の間の丘陵上に広がっています。
南北に長い公園をつらぬく遊歩道「スカイロード」はイチョウ並木になっており、秋になると黄色く色づいた並木道を楽しむことができます。
関連:秩父ミューズパーク
三峯神社の紅葉
三峯神社(三峰神社)は奥秩父の山の上、標高約1100mのところにあります。秩父三社の一つで、御眷属さま(オオカミ)の信仰で知られています。
駐車場から鳥居付近は南方向の眺めが良く、紅葉を見ながら奥秩父の山々を展望することができます。また、成蹊殿・三峯神領民家(移築)付近も、紅葉がきれいで趣があります。
関連:三峯神社
豆焼橋付近の紅葉
出会いの丘への道
埼玉県と山梨県を結ぶ国道140号線「雁坂トンネル」の秩父側にあるのが滝川渓谷です。国道沿いに駐車できるスペースはあまりありませんが、豆焼橋のところから200m入ると休憩場所「彩甲斐街道 出会いの丘」があります。
雁坂トンネルへ向けて山を登っていく国道を、車でドライブしながら紅葉を楽しむことができます。トンネルの山梨県側には西沢渓谷もあります。雁坂トンネルを使えば、秩父側の険しい谷と、山梨側の穏やかな景色をセットで見ることができます。
なお、路線バスは入川渓谷分岐点の「川又」バス停までで、その先の雁坂トンネル方面へは向かいません。また、雁坂トンネルは歩行者・自転車の通行不可です。
中津峡の紅葉
荒川の支流・中津川が流れている渓谷で、埼玉県の名勝に指定されています。滝沢ダム(奥秩父もみじ湖)のある川が中津川です。
ダム本体の上流で国道140号線から中津川地区方面への県道に入ると、塩沢もみじ橋付近(鷹岩トンネル手前)、永世戸山、相原橋付近(トイレあり)、持桶女郎もみじ(持桶トンネル手前)などの見所があります。
さらに奥に進むと、右にトンネルでニッチツ秩父鉱山方面への道が分かれます。ここからは道が狭くなりますので注意が必要ですが、直進すれば彩の国ふれあいの森の「埼玉県森林科学館」や宿泊施設「こまどり荘」があります。
なお、中津峡は人家の少ない山間の渓谷で、売店等はほとんどありませんのでご注意ください。
登竜渓の紅葉
登竜橋
登竜渓は、大輪(おおわ)地区にある「登竜橋」周辺の渓谷です。国道脇の白い鳥居が入口です。
登竜橋は荒川に架かる歩行者用の橋で、朱色のアーチが渓谷に映えます。
ここは、三峰山表参道のルートであり、旧・三峰ロープウェイの大輪駅(山麓駅)跡地を通り、「清浄の滝」を経て、三峯神社に至る登山道が続いています。
渓谷沿いの歩道は国道の対岸にあり、下流方向は登竜橋から500mくらい続いています。
上流方向は、登竜橋から大輪駅跡地まで、奉納の石碑が並ぶ敷石の道になっています。大輪駅跡地の手前から川に下りる道を行くと、その先に上流側の渓谷沿い遊歩道があります。
金蔵落しの渓流
「金蔵落しの渓流」は、国道140号線の光岩隧道(光岩トンネル)のところにある渓谷です。荒川に大血川が合流した地点の少し下流にあたります。
三峰口から旧・大滝村方面に進むと、光の村養護学校(旧光岩小学校)を過ぎ、最初にある短いトンネルが光岩隧道です。トンネルのすぐ先に、三峰渓谷大血川ドライブイン(大血川入口休憩所)の建物があり、そして大血川地区・大陽寺方面へ行く道が分かれています。
「金蔵落しの渓流」と書かれた立て札は、見落としやすいですが、トンネルに入る急カーブの国道脇にあります(トンネルは迂回する歩道あり)。
また、大血川地区への道を進むと橋からの景色が良く、さらに国道対岸に渡った後も少し先の大血川合流点近くまで、岩山と荒川の谷が作る景色を見ることができます。
白川橋から見た渓谷(下流側)
秩父線の終点「三峰口駅」と国道140号線を結ぶ橋が「白川橋」です。ここは荒川が奥秩父の深い谷から、秩父盆地側の少し広い谷へと姿を変える地点になっています。
駅から歩いていける橋ですが、渓谷の雰囲気を感じられる場所です。また、三峰口駅発着・停車のバスは白川橋を渡るので、バス車内からも橋の景色を眺めることができます。
宝登山ロープウェイ
山頂周辺
宝登山(ほどさん)は、長瀞にある標高497mの山です。早春に黄色い花が咲くロウバイ(蝋梅)園、いろいろな品種の梅が咲く梅百花園で知られ、宝登山神社の奥宮があります。
山頂周辺は秩父盆地の展望が良く、紅葉の季節には色づく山並みを上から見ることができます。
ロープウェイは、長瀞の街や周辺の山を眺めながら約5分で登ります(多客時の増発あり)。また、宝登山神社(山麓)からのハイキングコースや、野上駅方面からの「長瀞アルプス」コースなどの登山道もあります。
関連:宝登山
宝登山神社(寶登山神社)は秩父三社の一つで、宝登山の麓にあります。諸難除の御利益のほか、縁起の良い名前から金運向上・開運祈願で人気がある神社です。
秋になると、神社前ロータリーから駐車場横の庭園(池)・二の鳥居周辺などで、木々の色づきが楽しめます。
また毎年紅葉が見頃となる時期に、境内の一部で夕方のライトアップが行われています。
月の石もみじ公園
上長瀞河原の紅葉
「月の石もみじ公園」は、上長瀞の「埼玉県立自然の博物館」向かいにあります。荒川に沿った公園になっていて、秋になると木々が赤や黄色に色づきます。
その下の上長瀞河原では、大岩と紅葉の作り出す景色を見ることができます。
月の石もみじ公園では、毎年見頃の季節の夕方にライトアップが行われています。暗闇の中、光に浮かび上がる紅葉を楽しめます。
長瀞ライン下り
岩畳の紅葉
国の名勝・天然記念物である長瀞渓谷の中心地が、「岩畳」(いわだたみ)エリアです。長瀞駅から川に下りてきたところが長瀞ライン下りの乗降地点で、岩畳はここから上流側に広がります。
荒川の青い流れと、巨岩の岩畳、対岸の岩壁などが木々の紅葉に彩られ、独特の景観を作り出します。
関連:長瀞渓谷・岩畳
金石水管橋の道
夕日を浴びる長瀞渓谷(上流側の風景)
金石水管橋は、岩畳から1.4kmくらい下流(北)にあります。水道管の通る橋ですが、歩行者・自転車も渡れるようになっています。
親鼻橋から高砂橋までの区間で渓谷を渡れる唯一のルートになっていて、長瀞ライン下りの下流側コース中間地点付近にあたります。
橋の上からは荒川の流れを見渡すことができ、景色の良い場所です。岩畳エリアは岩から川を眺めますが、こちらは渓谷を真上から見ることができます。
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