[写真]三峯神社

三峯神社(三峰神社)は、埼玉県秩父市の大滝地域(旧・秩父郡大滝村)にある神社です。麓から山を登ったところで、標高は約1100メートルです。

秩父多摩甲斐国立公園の中にあり、広い神域を持ちます。
埼玉県と東京都にまたがる雲取山から白岩山・霧藻ヶ峰を経て、北に続く山並みの北の端にあたります。山梨県との境の雁坂峠にも近く、奥秩父の大自然を感じることができます。

奥秩父登山の拠点であり、雲取山へ縦走登山をする人や周辺を山歩きする人々も行き交います。また、麓から神社へは表参道・裏参道登山道などがあります。
(※登山の際は十分な準備をし、熊にもご注意ください)

秩父神社、宝登山神社とともに「秩父三社」とされます。また、近年はパワースポットとしても注目されています。

主祭神

伊弉諾尊(いざなぎのみこと)

伊弉册尊(いざなみのみこと)

日本武尊伝説

創建は、第12代・景行天皇の皇子である日本武尊(やまとたけるのみこと)と伝えられています。今から約1900年前、東征の際に甲斐・酒折宮から雁坂峠を越えて碓氷峠に向かう途中、東国の平安を祈りこの地に伊弉諾尊・伊弉册尊の二神をお祀りされました。

[写真]日本武尊銅像
参道の途中から少し登ると、大きな日本武尊銅像があります。

御眷属信仰(オオカミ)

三峯神社は、狼が神のお使い(御眷属-ごけんぞく)とされています。「大口真神」(おおぐちのまがみ)と崇拝され、「御眷属さま」「御神犬」「お犬さま」「山犬さま」などとも呼ばれています。

日本武尊の道案内をつとめたといわれます。害獣除け、火防、盗賊除け、災難除けにより信仰を集めています。

[写真]愛らしい表情の石像
愛らしい表情の石像。いろいろな姿のお犬様の像があります。

参道

社殿へは、市営有料駐車場中央の大きな階段を登り左に行くのが近いですが、時間があれば案内地図を見て駐車場の山奥側(右手)の道から登るのがおすすめです。

坂を登って行くと、神領民家(移築・復元)やビジターセンター(入館無料)があります。
ビジターセンターでは、三峯山の歴史、秩父多摩甲斐国立公園の紹介や、クマやシカなど山の動物の剥製展示などがされています。一部の剥製は手で触れてもOKなので、毛並みをたしかめてみることができます。

奥宮入口前を過ぎると、お店のところで駐車場からの道と合流し、三ツ柱鳥居に到着です。鳥居前には、御眷属のお犬様(狼)が並んでいます。

三ツ柱鳥居の横にある「秩父宮記念 三峰山博物館」では、古くからの神社の宝物・御札などに加えて、貴重なニホンオオカミの毛皮が展示されています。(有料。火曜日と冬期は休館。展示内容は変更されることがあります)

木立に包まれた参道は苗木奉納などの碑が並び、厳かな雰囲気が漂います。

[写真]ビジターセンター
ビジターセンター

[写真]奥宮参道の入口
奥宮参道の入口

[写真]参道の三ツ柱鳥居前
三ツ柱鳥居前(左奥が三峰山博物館)

[写真]鳥居のお犬様
鳥居のお犬様

[写真]苗木奉納などの碑が並ぶ参道
参道には苗木奉納などの碑が並ぶ

奥宮遥拝殿と随身門

参道をしばらく進むと、日本武尊銅像入口前です。ここでは道が交わっています。

右の階段上の奥宮遥拝殿や、右前を登った先の日本武尊銅像に行ってから、左の随身門へ下りましょう。
(足の悪い方や時間の無い方は、随身門へ下らずにそのまま道なりに左カーブを進むと拝殿横へ出られます)

奥宮遥拝殿では、奥宮のある妙法ケ岳を遥拝できます。
そしてここは、下界を展望できる場所。遥か下に表参道登山口の「大輪」付近、そしてその向こうに秩父市の中心市街地方面が見渡せます。

奥宮遥拝殿から先ほどのところに戻り、そのまま下ると巨大な随身門です。現在の随身門は寛政4年(1792年)に再建されたもので、明治の神仏分離までは仁王門だったということです。2004年までに塗替え・修理復元工事が行われ、色鮮やかな姿が見られます。

随身門を過ぎ、参道を進むとやがて分岐があります。左側の道を行くと、青銅鳥居の階段下に到着します。

[写真]奥宮遥拝殿への階段
右の階段上は奥宮遥拝殿

[写真]奥宮遥拝殿
奥宮遥拝殿

[写真]随身門
左に下ると随身門を経て拝殿へ

社殿周辺

階段を登り青銅鳥居をくぐると御神木前です。手水舎や八棟灯篭、右手には神楽殿などがあります。

御神木の大杉(重忠杉)は、鎌倉初期の武将・畠山重忠公が寄進したと伝えられ、樹齢800年ほどと推定されているそうです。

御神木の間の階段を上ると拝殿です。さまざまな彫刻が施されており、復元により鮮やかな色がよみがえっています。
また、拝殿前の敷石には2012年の辰年に現れたという赤い目の龍神様が浮き出ています。

左手には社務所のほか、売店のある「斎館」、その奥に、元・本堂の茶亭「小教院」、宿泊施設「興雲閣」などがあります。
興雲閣には大滝温泉を利用した「三峯神の湯」があり、日帰り入浴も可能です。

[写真]拝殿
拝殿

[写真]横から見た拝殿と本殿
横から見た拝殿と本殿

[写真]境内
境内

[写真]拝殿と御神木
拝殿と御神木

[写真]社務所
社務所。奥の建物は、宿泊・温泉施設「興雲閣」

縁結びの木・御仮屋

斎館から小教院の脇を通り奥に進むと、右手に祠が見えてきます。ここが「縁結びの木」。祠の後ろに2種類の木が寄り添うように立っています。
名前を書いた2枚の紙をこよりにして納めると、縁が結ばれるといわれています。また「恋みくじ」もあり、良縁を願う多くの人が訪れます。

さらに1~2分進むと御仮屋入口があります。道から右に登ったところが「御仮屋」。御眷属のお犬様(大口真神、狼)のお宮です。
お犬様は深い山にいらっしゃるため、ここが仮のお宮となっています。
社殿周辺とはまた違う、神秘的な雰囲気が漂います。

[写真]縁結びの木
縁結びの木

展望

駐車場周辺からは奥秩父の山々、奥宮遥拝殿からは下界の秩父市中心市街地方面が見渡せます。

天気の良い日は、御仮屋の先にあるロープウェイ山頂駅跡周辺(三峰公園)に行ってみるのも良いでしょう。

御仮屋入口を過ぎて先に進むと、鳥居のところで道が交差しています。道しるべの「神庭(かにわ)・岡本バス停」方面に歩いていくと山頂駅跡です。すでに山頂駅は解体・撤去されています。

山頂駅跡を過ぎると、道は左上にターンしながら続いています。坂道をのぼって行くと、みはらしの良い場所があります。道はこの先下りになり、鳥居のところへ戻れます。

なお、山頂駅跡からは神庭集落・岡本バス停へ下る「裏参道」の山道があります。
また周辺では、ミツバツツジやシャクナゲなども見られます。

[写真]山頂駅跡付近の道からの展望
山頂駅跡付近の道からの展望。

[写真]展望
ロープウェイ山頂駅跡から少し登った地点の展望。
遠くに武甲山や秩父市の中心市街地、長瀞町の宝登山方面などが見えます。

「白い氣守」頒布休止

毎月1日に頒布されていた「白い氣守」は、2018年6月から当分の間、頒布休止となっています。

http://www.mitsuminejinja.or.jp/new/index2018.htm#d0515_1

※2018年4月1日(日)の「白い氣守」頒布の際、前日から道路の渋滞が始まり、最大約25km以上(秩父線終点の三峰口駅入口よりものびて白久駅付近以遠まで)という過去最長の渋滞が発生しました。

そのため、2018年5月はゴールデンウィーク期間中で再び大渋滞になるのを避けるため、1日から11日に変更して頒布されましたが、6月以降は頒布休止が決まりました。

なお、『白』い『氣守』は頒布休止となりましたが、毎日頒布されている他の色の『氣守』は引き続き頒布されます。また三峯神社にはその他にもいろいろな魅力があります。これからもぜひご参拝ください。

アクセス

〒369-1902 埼玉県 秩父市 三峰 298-1

秩父市の中心市街地から車で1時間ほど離れた場所です。奥秩父の山間部になりますので、ご注意ください。
また、秩父地方は観光シーズンを中心に道路混雑もあります。車・バスの場合共に、時間の余裕をもった計画をされることをお勧めします。

駐車場が満車になると、渋滞が発生します。
ゴールデンウィークや紅葉シーズンなどには、長い渋滞となる日がありますので、ご注意ください。

車の場合

・関越自動車道 花園IC から国道140号線を利用
・中央自動車道 勝沼IC から甲州市塩山地域を通り、国道140号線・雁坂トンネル有料道路を利用(冬季は路面凍結や通行止に注意)

国道140号線・秩父市大滝の宮平信号(大滝総合支所そば)から二瀬ダム(秩父湖)方面へ。ダムの信号を曲がり、県道278号線に入ります。ダムから先、途中までは狭い道になります。
旧・三峰観光有料道路を通り山を登ると、終点に市営有料駐車場があります。

二瀬ダム信号や市営駐車場などを先頭にした渋滞が発生することがあります。二瀬ダム堰堤上は道幅が1車線で、すれ違いができません。信号による交互通行になるため、長い信号待ちがあります。また、市営駐車場の満車による渋滞は、なかなか進むことができません。

なお、大血川の大陽寺方面へは森林管理道(林道)大血川線がありますが、人里離れた場所を長い距離通り、落石等への注意が必要です。土砂崩れなどで通行止になることもありますので、事前に道路状況を調べておくことをお勧めします。

[写真]市営駐車場
市営駐車場

電車+バスの場合

西武線西武秩父駅(西武駅)、または秩父線三峰口駅から、急行「三峯神社」行を利用、終点下車。

西武秩父駅から、三峰口駅、大輪、大滝温泉遊湯館(道の駅大滝温泉)、秩父湖(二瀬ダム)などを経由する西武観光バスの急行バス路線があります(秩父線の秩父駅は経由しません)。
渋滞がなければ、西武秩父駅からは約1時間15分、三峰口駅からは約50分です。

多客期の利用はご注意ください。2台以上のバスで運行されることがありますが、本数が限られていることもあり、バスの台数が十分でないとカーブの多い道を長時間立ったままの乗車になってしまう可能性があります。

また、三峯神社の市営有料駐車場が満車になると渋滞が発生し、バスも巻き込まれてしまいます。西武秩父駅への帰りも、二瀬ダム信号や秩父市街地の渋滞に巻き込まれる場合があります。

西武鉄道が販売する「秩父漫遊きっぷ」のクーポン券を引き換えた「バスフリーパス」は、この路線には使うことができません(クーポン券のまま片道乗車に利用する方法はあります)。

以前は急行バスは全て西武秩父駅発着(三峰口駅経由)でしたが、2018年4月2日から三峰口駅発着の急行バスが1往復新設されています。

[写真]バス待合所
バス待合所

[写真]急行バスと駐車場料金所
急行バスと駐車場料金所(駐車場内から)

ロープウェイは廃止されています

以前は「大輪」バス停で下車し、表参道入口の鳥居を通り大輪登竜橋を渡るとその先にロープウェイの乗り場があり、大輪駅から山頂駅までを約8分で結んでいました。
しかし、2006年に老朽化などのため休止し、翌2007年正式に廃止となっています。大輪バス停からは現在、表参道の登山道のみとなっています。

表参道登山道

三峯神社へは昔からの登山道が麓から続いています。表参道は「大輪」(おおわ)バス停が登山口です。大輪へは急行バスのほか、三峰口駅発着の一般路線バスを利用して行くこともできます。(三峰口駅~大輪:約6km、バス約12分)

国道脇の鳥居からロープウェイ大輪駅跡までは歩きやすい道ですが、その先は急な登りのある山道になります。
車で登ってしまうと気づきませんが、大輪にもお犬様(オオカミ)の像があります。また、表参道の途中には「清浄の滝」があり、現在も三峯神社の滝行が行われます。

なお、「岡本」バス停からは裏参道登山道がありますが、岡本には急行バスは停車しません。

表参道・裏参道については『秩父市ハイキングマップ ふぅ~!』の9-10ページで紹介されています。(ハイキングと思わずに、登山の準備をお願いします)
http://navi.city.chichibu.lg.jp/pamph/

登山道利用の場合には、事故防止のため、事前に十分ご準備ください。情報収集をはじめ、登山の準備が必要です。
登山に適した靴、熊よけの鈴、2万5千分の1地図、登山用コンパス、ライト、非常食などもお忘れなく。

リンク

三峯神社
http://www.mitsuminejinja.or.jp/

西武バス(運行カレンダー、時刻表など)
http://www.seibubus.co.jp/

埼玉県-秩父県土整備事務所(道路交通規制情報など)
http://www.pref.saitama.lg.jp/soshiki/b1007/

登山関連

登山・ハイキングの際は最新の情報を確認し、十分な準備をお願いします。熊などの野生動物にもご注意ください

埼玉県-秩父環境管理事務所(登山道の情報など)
http://www.pref.saitama.lg.jp/soshiki/b0504/
※登山道紹介の中に、表参道の紹介があります
http://www.pref.saitama.lg.jp/b0504/kokuritsu-tozandou.html

秩父観光なび-各種パンフレット
「秩父市ハイキングマップ ふぅ~!」(PDF)に、表参道・裏参道コースや妙法ケ岳コースなどの案内あり
http://navi.city.chichibu.lg.jp/pamph/

秩父観光協会
・大輪~神社(表参道コース)
http://www.chichibuji.gr.jp/experience/hiking-syousai01/

・二瀬ダム~神社(二瀬コース)
http://www.chichibuji.gr.jp/experience/hiking-syousai03/

・神社~妙法ヶ岳(奥宮コース)
http://www.chichibuji.gr.jp/experience/hiking-syousai02/

・神社~雲取山(縦走コース)
http://www.chichibuji.gr.jp/experience/hiking-syousai05/

関連するページ

宝登山神社
秩父郡長瀞町 宝登山の麓に鎮座。こちらにも日本武尊伝説や御眷属信仰があります。

秩父神社
秩父市 中心市街地に鎮座。

二瀬ダム(秩父湖)
荒川本流にあるアーチダム。三峯神社への登り口にあります。

道の駅 大滝温泉
麓にある道の駅。大滝温泉遊湯館や大滝歴史民俗資料館などがあります。

秩父線 三峰口駅
秩父線の終着駅。春から秋の土休日を中心に、SL「パレオエクスプレス」がやってきます。