[写真]吉田椋神社

秩父市下吉田の椋神社(むくじんじゃ)は、龍勢(りゅうせい)祭りや、秩父事件で知られる神社です。

秩父市吉田地域(旧・吉田町)の県道37号皆野両神荒川線沿いで、道の駅龍勢会館から西に約800mほどの場所に鎮座します。秩父地方には、皆野町皆野の椋神社(皆野椋神社/大浜の椋神社)をはじめ他にも椋神社があるため、「吉田椋神社」「下吉田椋神社」とも呼ばれます。

[写真]参道側から見た境内
参道側から見た境内。駐車場は写真右手にあり、県道側から入れます。

[写真]神楽殿
椋神社神楽殿

[写真]椋神社からの風景・秋
椋神社前からの風景・秋(龍勢櫓方向)。

[写真]椋神社のシンボル「夫婦クヌギ」
椋神社のシンボル「夫婦クヌギ」

秩父事件

1884年(明治17年)、秩父地域を中心とした埼玉・群馬・長野にわたる住民(数千人。一万人を超えるともいわれる)が、世直しを求めて武装蜂起をしました。決起の地となった椋神社には、およそ三千人が結集したといわれています。

境内には「秩父事件百年の碑」や、困民党軍の進路が描かれた案内板「秩父事件関係略図」などがあります。

[写真]秩父事件百年の碑
秩父事件百年の碑

龍勢祭り

龍勢祭りは毎年10月第2日曜日に行われます。朝から夕方にかけて30本くらいの龍勢が打ち上げられます。

高さ20メートルほどの櫓(やぐら)にセットするので、次々と発射されるわけではありません。お披露目して設置し、口上(こうじょう)を述べたあと発射されます。打ち上げは約15分おきなので、のんびりと次の発射を待つことになります。

会場から離れていても高く上がった龍勢が見える場所がありますが、中には上がらずに櫓で爆発してしまうものもあります。櫓が見えて放送が聞こえる場所が良いのですが、神社周辺は多くの人で混雑します。椋神社周辺には予約制の有料桟敷席なども用意されます。

東側の龍勢会館方面も混雑しやすいですが、神社より西側のエリアは比較的空いていることがあります。

当日は臨時駐車場が用意されますが、神社に近いところから満車になります。また、椋神社前の県道が通行止めになるため、周辺の道路は渋滞となります。

なお龍勢は、流派ごとの伝承により火薬を調合した手製のロケットです。櫓周辺の立入禁止規制や防護網の設置などの安全対策が強化されていますが、立入禁止区域の外への破片の落下などにより事故が起こる可能性がありますので、ご注意ください。

[写真]軒下に飾られている龍勢
軒下に飾られている龍勢。

[写真]龍勢の打ち上げ
[写真]龍勢の打ち上げ
大空に打ち上げられる龍勢。

[写真]多くの人で賑わう椋神社前
多くの人で賑わう椋神社前。

龍勢櫓

龍勢櫓(龍勢ロケット発射台)は、椋神社から徒歩5分~10分くらいのところにあります。

普段は櫓のすぐ下まで行けるので、間近に見ることができます。
なお、櫓に立ち入ることはできません。また、龍勢祭りのときは、危険区域のため近づけません。

[写真]龍勢櫓

「あの花」

椋神社や龍勢櫓の周辺は、アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(あの花)の第10話・第11話で登場します。ストーリー上の重要スポットです。

また、龍勢祭りでは「超平和バスターズ」の龍勢も奉納され、打ち上げられています。

[写真]椋神社から見た龍勢櫓
椋神社から見た櫓

[写真]龍勢櫓そばから見た椋神社方面
龍勢櫓そばから見た椋神社方面。奥の山は武甲山。

[写真]2011年龍勢祭りポスター
龍勢祭りでは「あの花」コラボレーションのポスターも作られています(写真は最初の2011年版)。

アクセス

〒369-1503 埼玉県 秩父市 下吉田 7377

皆野町にある国道140号線「大塚」信号(皆野寄居バイパス終点)から「新皆野橋」を渡り、吉田方面の標識に従って約7km。神社の県道側に駐車スペースがあります。

バスの場合は、西武線西武秩父駅から秩父線秩父駅を経由する西武観光バスの路線バスがあります。吉田元気村行き(秩父吉田線)に乗り「龍勢会館」バス停下車、徒歩約10分です。

運行本数が少ないため時刻にご注意ください。西武秩父駅からバス約40分、秩父駅からバス約30分ほどかかります。

なお、以前は秩父線皆野駅や小鹿野町方面に向かうバス路線がありましたが、廃止になっています。そのため、皆野駅からはタクシー利用となります。(龍勢祭りのときは、皆野駅からも臨時バスが運転されます)

外部リンク

吉田龍勢保存会
http://www.ryusei.biz/

関連するページ

道の駅 龍勢会館
龍勢についての展示施設「龍勢会館」や、秩父事件資料館「井上伝蔵邸」、売店などがあります。「あの花」コーナーもあります。

秩父神社 【あの花】
秩父市の中心市街地に鎮座。秩父三社の一つ。椋神社と同じく延喜式内社。「あの花」にも登場しています。