矢通反隧道は、秩父市荒川日野にある素掘りのトンネルです。昭和16年に完成したもので、長さは32mほどだそうです。
資金不足により予定地より高いところにつくられたということです。内部は急坂の上、両側からの方向に食い違いがあり、当時の苦労が偲ばれます。
秩父線武州日野駅や道の駅あらかわから徒歩7~8分のところに荒川花ハス園があります。
矢通反隧道は花ハス園の南にある山(尾根)を越えるためにつくられたトンネルで、花ハス園から南に200mくらいの所にあります。
高圧線の鉄塔の根元の左側(東側)を矢通反隧道が掘り抜けていて、右側を新道の車道が切通しで越えています。
花ハス園から、南に向かう車道(坂道)を上っていきます。花ハス園の臨時駐車場を過ぎると、左側に道しるべがあり、トンネルへの歩道入口になっています。
歩道に入り、林の中の坂道を進むと間もなく到着です。
北側からのトンネル入口。道は急坂のままトンネルに入っています。内部が曲がっているため、出口は一部だけ見えています。
トンネルに入ると1/3くらいの所まで補強されています。補強の先で不自然なカーブをして、南口に登っていきます。
途中で振り返ってみた写真。地山が露出していて、中央部は天井が高くなっています。路面が濡れていると滑ってしまいそうな急坂です。
南口は坑口付近が補強されています。
南口にある解説板。
南口を出たあたりが最高地点で、ここを過ぎると道は下っていきます。
矢通反隧道への南側登り口。中央やや右へ登る道がトンネルへの歩道です。
写真には写っていませんが、この分かれ道のところに観音堂前のトイレがあります。
寺沢の如意輪観音堂。安産・子育ての観音様です。ご本尊のお姿から「寝入り観音様」とも呼ばれます。
またこの観音様は、秩父札所を決めるときにちょうど寝込んでしまったので、札所番付には入れなかったというお話があります。
秩父線「武州日野駅」下車 徒歩約15分
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