札所2番 大棚山真福寺は、埼玉県秩父市山田にあります。本尊は聖観世音菩薩で、納経所は麓の光明寺になります。
真福寺は山の上にあります。北西の栃谷(札所1番四萬部寺方面)から登るルートと、西の山田(光明寺や3番常泉寺方面)から登るルートがあります。
古くは現在地の近くにあった鬼丸の洞窟に観音様がお祀りされていました。そして鬼丸窟の崩壊により、聖観音像は大棚の古堂に遷されたといわれています。
1488年(長享2年)の札所番付(32番法性寺蔵)では三十三ヶ所になっており、真福寺は外れていました。のちに真福寺も含めて秩父三十四ヶ所となっています。
長野県佐久市の岩尾城跡にある戦国時代の1525年(大永5年)の石碑には「秩父三十四番 西國三十三番 坂東三十三番」とあります。また札所30番法雲寺にある1536年(天文5年)に納められた木札にも「西国坂東秩父百ヶ所順礼」と刻まれています。しかし最終的に三十四ヶ所として定着するまでにはしばらく時間がかかったようです。
また札所番付は、変遷を経て江戸時代に現行の順番に改められています。
大棚古堂にあった真福寺は、江戸初期に現在地に移ったといわれています。観音堂、本堂、札堂、仁王門、羅漢堂などがありましたが、万延元年(1860年)に火災で失われています。
現在の観音堂は、明治41年(1908年)に再建されたものです。
光明寺側の真福寺登り口(右の道は真福寺への車道)
参道の観音像
観音堂下の参道
縁起
納経所の光明寺へは、西武線西武秩父駅から秩父線秩父駅を経由するバスが利用できます。定峰行か皆野駅行(定峰線・三沢線)で「光明寺入口」バス停で下車になります。
逆に秩父線皆野駅から西武秩父駅行のバスを利用し「光明寺入口」バス停で下車することもできます。ただ、三沢線だけなので本数が少なく、乗車時間も長くなります。
バス停から東側の山に入る道を行くと、約400m徒歩5分ほどで納経所の光明寺があります。
ここから真福寺へは、しばらく沢沿いに進んだあと山を登ります。
また札所1番四萬部寺方面からは、定峰線・三沢線の「栃谷」バス停付近から真福寺へ登るルートがあります。
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